中華スイーツ
亀令膏(亀ゼリー)
香港の薬膳スイーツ「亀令膏(=亀ゼリー)」。
亀のお腹の甲羅と漢方薬を煮込んで作ります。美容・美顔に良いと言われ、お肌を気にする女性が好んで食べます。また、デトックス効果や解熱作用があり、夏バテにも良いと言われているため、夏に食べることが多いです。
とはいえ、亀ゼリーの専門店も街中でよく見かけますし、スーパーでも写真の商品のように、年間通していつでも手軽に入手できます。
見た目はコーヒーゼリーかと思うような、黒に近いこげ茶色。そのままだと漢方の苦みがあるため、シロップをかけて甘くして食べたりもします。出来立ての熱々、もしくは冷やした状態でいただきます。冷やした方が、漢方の香が少しおとなしくなり、食べやすくなります。
子どもの頃に可愛がっていた亀のことを思い出し、20代の頃は心理的な葛藤がありました。が、年齢とともにお肌のコンディションの優先順位が上がり、今では平然と食べる私です(笑)。
豆腐花
香港の代表的なスイーツの一つ「豆腐花」。日本ではあまり知られていませんが、香港では杏仁豆腐やマンゴープリンより接触頻度が高いかもしれません。
お豆腐に甘いシロップをかけたり、ザラメや三温糖をふりかけたりして、甘い味付けでいただくという、いたってシンプルなもの。冷たい状態でも美味しいデザートですが、私は温かい状態でいただくのが好きです。
日本に暮らしていた頃は、「お豆腐+醤油」というように、しょっぱい味付けで食べるものという固定概念がありました。ところが「お豆腐を甘くして食べる」という発想に初めて出会った時の衝撃!いけるじゃないですか~♪
甘党の私は、いつも「紅糖」といわれる写真のように茶色いお砂糖をたっぷりふりかけてしまいます。グラニュー糖ではないので、甘さにコクと味があり、また変な後味も残りません。
ちなみに香港の豆腐は、日本のものより豆の香りが高く、そんな「豆本来の味わい」が楽しい、ヘルシーなスイーツです。
楊枝甘露
マンゴー好きには堪らない中華デザート、楊枝甘露(ヨンジーガムロ)。
ピューレ状にしたマンゴーに、ココナッツミルクと牛乳を混ぜ、タピオカと、ほぐしたポメロ(日本でいうザボン)を浮かべた、冷たいデザートです。
冷たいスープは、マンゴーの酸味と甘みに、ココナッツミルクの丸みを帯びた甘味と香りが溶け合った、絶妙なコンビネーション。そこに加わる小粒のタピオカで食感の楽しさを。さらにぷちぷちはじける、柑橘系の香りが爽やかなポメロでとどめを刺されてしまいます!
香港では一年中食べられるデザートではありますが、特に夏が近づくと食べたくなります。
豆沙鍋餅
あんこ入り焼きクレープ「豆沙鍋餅」。上海料理の代表的なスイーツの一つです。
ゆるめのこし餡ペーストが包まれたクレープをフライパンで焼いたもの。中はしっとり、外側はパリッとしています。あんこが入っているとはいえ、全体に甘味は控えめ。お腹いっぱい食べた後にデザートとして出てきても、ついパクパクと食べてしまいます。
地味な見た目ですが、温かいうちに頬張ると心がほっこりする一品ですよ。
薑汁燉奶
牛乳プリン「薑汁燉奶」。
牛乳に卵白とお砂糖、そして生姜汁を入れ、蒸しただけのシンプルなスイーツです。
日本の凝りに凝ったスイーツに慣れきった舌には、正直なところ、最初はなんだか物足りなく感じました。でも、だんだんに目覚めたのは「引き算の美味しさ」。味のインパクトが強くない分、感性を研ぎ澄まして、素朴な優しい味わいを楽しみましょう♪
ほんのりとした甘味に、かすかに効いている生姜。冬にアツアツを食べると体が暖まります♡(好みで冷たいのも選べます)
この究極のシンプルさだからこそ、お店の真価が問われるのは、牛乳に対する甘さ加減と生姜汁のさじ加減。
ミルクのやわらかな味と香りを活かすためには、甘すぎてもいけないし、辛すぎてもいけません。砂糖と生姜は完璧な脇役であると心得て、引き立て役に徹する必要があるのです!!
バナナフリッターの飴がけ
中華料理のデザートの一つ、「抜絲香蕉(バナナフリッターの飴がけ)」と「抜絲苹果(りんごフリッターの飴がけ)」。
バナナやリンゴに衣をつけて油で揚げ、アツアツのうちに、カラメルに絡めます。ここまでは大学いものような感じですが、これを熱いうちに、更に氷水のボウルにドポン!その後、すぐにお皿に引き上げていただきます。
すると、中のフルーツはアツアツとろ~り、表面のカラメルはパリッ。この対照的な食感のコントラストと、揚げたことで増した果物の甘み、そしてカラメルのほのかな甘さが、口の中でなんともいえず絶妙のハーモニーなのです♪
桃饅頭
さて、この桃饅頭、あることをお祝いする時に食べることが多いのですが、さて、いったい何のお祝いでしょうか? 桃は邪気を払い不老長寿に効く果物と考えられている、というのがヒント。 正解は、「誕生日のお祝い」!
お誕生日の中華ディナーだと、最後にこの点心が出てくることが多いです。とはいえ、バースデーケーキのほうが香港でも主流。その場合、ケーキはどこかのケーキ屋さんから調達し、主役が到着前に、こっそりレストランの冷蔵庫に預けておいて、最後にサプライズで蝋燭を灯してお祝いする、という段取りが一般的です。
ちなみに、「寿」は中国語では長寿のお祝いに使われることの多い文字です。香港人の結婚式に招かれて、「寿」と書かれた日本のご祝儀袋を持参すると「え?結婚式なのに??」とびっくりされてしまいますので、ご注意を。
蛋撻(エッグタルト)
香港スイーツの定番中の定番、「蛋撻(エッグタルト)」!
サクサクのタルト生地にカスタードの組み合わせ。ただし、カスタードはクリームというよりプリンのような食感で、卵の素朴な味わいが感じられます。オーブンから取り出したばかりの、焼き立てのアツアツをいただくのが、たまらなく美味しいおやつです。
どこのパン屋さんでも手軽に買えることもあり、職場でも誰かが午後のおやつに部署全員に差し入れしてくれることがよくあります。
ところで、お隣りマカオのエッグタルトは「葡式蛋撻(葡撻)」、つまりポルトガル式エッグタルトと言って、パイ生地が使われています。もともとポルトガル植民地だったマカオで流行り、香港に渡ってきたと言われています。
蛋撻も葡撻も、どちらも甘味があっさりしていて、クセになる美味しさです。当然ながらお店によって生地の食感やカスタードの味も違うので、ぜひ食べ比べてお気に入りを見つけてくださいね♪